木の香りいっぱいのログハウスの保育園



大人にも子供にも大人気。群馬県吉井町 に誕生したポスト&ビームの保育園。 園内は 木の優しさに包まれた遊び空間が広がる。



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「ひなどり組」の教室内には丸太の残材で作った滑り台や階段がある。階段の上はちょっとした隠れ家のよう。滑り台や階段の表面は子どもたちがいつも遊んでいるせいか、よく使い込まれてツルツルしている。こんな遊び心いっぱいの教室で過ごす子どもたちは幸せだ。

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鉄筋コンクリートの園舎内。ここはログハウスではないが、館内は木の温もりがいっぱい。 ログハウスとはバリアフリーでつながっている。


丸太3段組みの上にP&B変則的デザインのログ。

 国指定史跡の多胡碑で知られる歴史の町・吉井町。ねむの木保育園はその多胡碑 を展示する多胡碑記念館の前にある民間の保育園。園舎改築の際、園舎の一部にログ ハウスを採用したユニークな保育園だ。  
  「子どもに木の良さを伝えたい。それには保育園をログハウスにするのが一番」 と園長の森平文男さんは話す。森平さんは8年ほど前、保育園の庭にミニログをセ ルフビルドで完成させた。それ以来、いつか保育園の建物もログハウスでと考えていた。 老朽化した園舎の改築を開始したのは2003年。保育園舎建設には民間経営でも さまざまな制約があり、すべての建物をログハウスというわけにはいかず、園児たちが 遊ぶスペースをログハウスで、教室や食堂、ホールなどを鉄筋コンクリートで建設した。
  完成は2004年3月。森平さんはログハウスはハンドカットの丸太小屋で、と考えていたが、資金の制限があるためにポスト&ビームに変更。しかし子どもたちにどうしても丸太の質感を伝えたいと、基礎から太い丸太を3段分、約1mまで組み、その上にポスト&ビームのログを建てた。 丸太は30cm径を超えるダグラスファー。丸太3段分はちょうど子どもたちの身長くらい。 乳幼児なら丸太に囲まれる感覚になる。

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廊下の一角に設けた絵本コーナー。ベンチも本棚もすべて木製だ。

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滑り台脇の石垣ではロッククライミング遊びができる。「少しくらいの傷に 負けない子を育てる」という園長先生らしい遊び場だ。


内装の仕上げ材も子どもの健康に配慮

 丸太の上にポスト&ビームという工法は、メーカーの「八潮ログハウス事業部」 にとってかなり変則的だった。まず3段分のログのセトリングの歪みを3cmと計算し、 それに合わせてポスト&ビームを組んだ。施工する側にとっては変則的な難しい工事 となったが、自社開発されたログ加工マシンをフルに活用し、仕上がりはハンドカット の質感とスタイリッシュなポスト&ビームの、それぞれの利点を備えたログハウスになった。 室内の丸太の結合部分にはほこりがたまりがちだが、丸太は3段だけなので掃除も楽だ。  
  ログハウスの内装にも気を配った。まず建物内にクロスは使わず、壁は漆喰仕上げ。 塗装材には環境ホルモンの出ないエコ商品を使用。外部の塗装材も植物からとった自然塗料 を使った。また、テーブルや椅子など家具類も、環境ホルモンのないムクの材質にこだわった。 新築のピカピカの園舎は、シックハウス症候群とは無縁の健康的な建物になった。  
  ログハウス内の暖房は床暖房と薪ストーブを完備。これなら上州名物のからっ風が吹く 真冬も心配ない。しかし森平さんは「子どもには自然に適応できる能力が必要。必要以上に 暖かい環境はいらない。“夏は暑く、冬は寒く”でいい」という。実際、保温性の高いログ なら床暖房だけで冬も充分暖かそう。薪ストーブの出番はないかもしれない。(「ログハウスに住む」VOL.4より転載)

設計・施工 (有)八潮ログハウス事業部




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