イタリアの蔵をイメージしたP&B


MIX JAM■滋賀県大津市




おしゃれなレストラン?実はログの美容室です

 琵琶湖の南西に位置する滋賀県大津市。JRで京都からアクセスすると、2つ目の駅が大津、そこから3 つ目の駅が瀬田になる。瀬田駅を出て数分、素っ気ないビルが並ぶ通りを歩いていくと、ふいにナチュラル な壁の色が目に留まる。一見して洒落た欧風レストランかと思うその建物は、松田和宏さん、千歳さんご夫 妻が経営する美容室「MIX JAM」だ。
  松田さんご夫妻がこの美容室をオープンさせたのは平成17年10月。それまでは近くのマンションの一室 で営業していた。新しく自分たちの店を造るにあたって、土地は和宏さんのご実家の離れがあった場所にす ることで問題はなかったが、建物には特別のこだわりがあった。趣味はほとんど一緒というお二人が思い描 いていたのは、ひと言でいうと、「ヨーロッパのイタリア辺りにあるような、古い蔵のイメージ」。
  そんな建物を建ててくれるメーカーを探すのは、なかなか大変なことのように思えたが、縁は身近なところ にあった。ある時、店のお客さんに、イメージに近い建物の写真が載っている雑誌を見せながら、「こんな店 を建てたい」と話していたところ、お客さんは「うちの父がこういう建物を造ってますよ」と。そうして、まった くの偶然だったハートランド・ログとの出会いが、お二人の夢を現実のものにしてくれた。
  実は当初は、フルログの建物にすることも考えたという松田さんだが、立地的にフルログの申請が難しい ことや、耐寒性を考え、ポスト&ビームで造ることにした。またログが痛まないよう、外側は柱を隠すような造 りにしたが、そのため外観と内観にいい意味でのギャップが生まれた。外から見るとまるでヨーロッパの石 造り建築のような印象を受けるが、中に入ると、それが何本もの太いダグラスファーを使った木の建物であ ることに驚かされる。

無漂白の珪藻土の温かみに優しく包まれた店内

ダミー画像

 全体的なイメージのほかに、松田さんご夫妻が希望したのは、ロフトと6角形の出窓を付けること、1階と ロフトの雰囲気を変えることなど比較的大まかなことだった。細かい点は、ハートランド・ログがイメージに合 うようにアイデアを出していってくれた。たとえば、壁の珪藻土は、一般的には漂白した珪藻土で白壁にす ることが多いが、MIX JAMの場合は無漂白の珪藻土を使用した。そのナチュラルな色味を生かすよう、 微妙なタッチで塗装する作業を見ていた和宏さんは、「まさに職人技」と感嘆したそうだ。
  古い蔵を改装したような雰囲気を出すため、床材にはわざと節のあるラーチ(カラマツ)を選び、節を埋 めて使用した。床はクラシカルな風合いに仕上がり、店内全体に何ともいえない落ち着きを与えている。
  MIX JAMは今のところ、美容室とわかるような看板を出していない。それは、馴染みのお客さんを一番 大切にしたい、という思いからだという。オープンして約3カ月、その大切なお客さんたちは今、「日本じゃな いみたい」と驚いているそうだ。たぶん、日常の中でふっと気分を変えられる場所になってくれるのではない だろうか。働く側にとっても「気持ちがずいぶん楽になった」という和宏さん。「それに、今はお客さんに待っ てもらうのもいいと思えるんです。店の中を見て回ってもらってもいいですしね」と、楽しそうな様子だ。



ログハウスDATA

■延べ床面積 80/1階 50/2階 30/デッキ 25
■着工日 平成17年6月10日 
■完成日 平成17年9月10日
■加工法 ポスト&ビーム 
■構法 軸組構法
■仕様ログ材 ダグラスファー 300mm
■基礎 ベタ基礎
■外部仕上・屋根材=素焼き・洋瓦/建具=マービン木製断ネッサッシ/塗料=オスモワンコートオンリー 2回塗り
■内部仕上・天井材=パイン1×6T・G/床材=ラーチ無垢フローリング/内壁材=ケイソウ土/塗料=オスモウッドワックス 2回塗り






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