アメリカンログハウスの洋食レストラン



弥彦温泉で旅館を営むオーナーが建てた洋食レストラン部門はログハウス
杉林に囲まれてオープンから10年 木のぬくもりと美味しい料理が口コミで人を呼びリピーターの訪れる人気レストランになった



温泉街のはずれにできたアメリカンログハウス

 古くより神の山として信仰されてきた弥彦山の麓弥彦温泉、は昔から変わらぬ趣 のある宿場町だ。この町並みを抜けた杉林に姿を現すのはアメリカンタイプの大 型ログハウス。子供から大人まで、誰にでも好かれるオリジナルの洋食が人気のレ ストラン、マジックディッシュだ。
  弥彦温泉街で旅館を営むオーナーが、連泊の宿泊客に洋食を出したいとレスト ラン部門の設立を考えたことが、ログづくりのきっかけだった。見事な杉林の景観 を生かした建物にしたい、と輸入住宅代行業をしていた知り合いに相談、アメリカ のログハウスを建てることになった。建材には地元の杉を使いたいという当初の 希望は、木材が揃わないことから断念せざるを得なかった。
  当時まだログハウスの建設は一般的ではなく、役所に建築申請をして、許可が 下りるまでが苦労の連続だった。弥彦温泉のシーズンがピークを迎える4月のオー プンを予定していたが、想像以上に時間がかかり許可が下りたのが半年後、予定 は大幅にずれこんでしまった。国立公園内にあるという場所柄、木を一本切るのにも許可が必要だったという。
  レストラン事業を任されたのは、若い感性を生かしてやってみないかとオーナー に勧められたというマネージャーの渡辺隆宏さん。建設の前には本場のログハウ スを見るべくシアトルに赴いた。そこで実際のログハウスとそこに住む人たちの実 際の生活を目の当たりにしたことは、店づくりの大きな糧となった。
  建築はシアトルからアメリカ人設計士を招き、その指示で日本人の大工さんが動 く、という日米の合同作業で行われた。渡辺さんは現場に毎日通って建築のようす を見守った。そして約5ヶ月の作業の後、出来上がったのは広々とした空間を大胆 に生かした、堂々たる大規模ログハウスだった。

弥彦の石を組み上げたこだわりの特注暖炉

 一番こだわったのは暖炉。高い天井にまで届く、自然岩を組み込んだ暖炉は、渡 辺さんが、アメリカの雑誌で見た暖炉のイメージに惚れ込み、日本で作ったオリジ ナルのもの。石を固めながらの作業は予想以上に難しいらしく何軒もの業者に頼 んでも「絶対無理、石の重みで崩れてしまう」と断られてしまった。渡辺さんはそれ でもめげずに業者さんを回って歩いた。そしてやっと11軒目にして、若い職人さん が引き受けてくれたのだ。石はすべてログの建設で出てきたものを使用した。1週 間もの間、職人さんがログに寝泊まりしてつくった自信作。今ではレストランの一 番の顔となっている。
  当初薪の調達は自分でしていたが、最近では、近所の大工さんが木材を暖炉の サイズに切ってわざわざ持ってきてくれるという。「廃材だから乾いていて、すぐに 燃えるし光熱費も助かっています」と薪をくべながら渡辺さんは話す。
  メニューはスタッフみんなが考え、試食をして決める。レンジで温めるだけのど こにでもある味にはしたくない。地元の農家から野菜を仕入れ、魚は地元の市場で 仕入れる。イタリアンやフレンチ、いいところを取り入れて手間ひまを惜しまず作り 上げる、マジックディッシュにしかない味を追求している。地元の人が普段着でも 気軽に来られるように肩ひじをはらないで家族でここの洋食を食べにきてもらう、と いうのがコンセプトだ。メインディッシュにサラダバイキング、パン、ドリンクがセット になったランチが人気。地元の人達の貸切パーティ等で利用されることも多い。

 
お店で焼いているふわふわの天然酵母パン。地元野菜を取り入れた新鮮なサラダバーが人気。

 
魚の旨味がいっぱいに詰まった白身魚とポテトのグラタン。ホワイトソースでからめたサーモンをクレープで包んだ一番 人気の料理。

暖炉の炎とオーブン料理で 心まで温まる

 「吹き抜けにしないで、席数を増やせば、という人もいるん ですが、この店は癒しがコンセプトなので、この空間こそが 大事なんです」という渡辺マネージャー。定期的に行われ る子供達のピアノの発表会などでも、音の広がりが素晴ら しいとこの吹き抜け部分が評判なのだそうだ。
  ログにぴったりのシルエットが美しい照明は、すべて現 地から取り寄せたもの。日本のレストランの明るさに慣れた お客さまには、現地の照明は暗い印象を与えてしまう。そこでイメージを崩さない照明器具を部分的にプラスしたが、間接照明を使ってなるべくやさしい明るさを演出するよう にしている。
  店内には、地元作家の作品のオブジェや絵画、カントリ ードールやドライフラワー等のかわいらしい小物などがい つしか持ち込みで置かれるようになり、まるでギャラリーのようだ。温泉街から少し離れた場所にあるにもかかわらず、口コミで評判が広がり足しげく通う常連さんが多いという のもうなずける。
  「年輩のお客様も多く、弥彦の軽井沢みたいでいいわね、 と言われることもあります」木のぬくもりがお客様にやすら ぎを与えているのだと渡辺さんは実感している。
  マジックディッシュは暖かい食事を楽しむだけではなく、空 間自体を楽しむことができる。そんなあたたかい空気が人 気の秘訣なのだ。

 
ログ建設時に出てきた石を天 井まで使った暖炉。手作りの素朴さが伝わる、見ているだ けでも楽しいリース。


レストランDATA

マジックディッシュ
■住所:新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦3409-1
■Tel:0256-94-4900
■営業時間:11:30~22:00(LO 20:30)
■定休日:木曜(定休日が祝日の場合は翌日休)
■メニュー:ランチコース2079円~、
単品料理840円~
■駐車場:あり



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