提案型メモリアルアートの家



ライフスタイルに応じて石塔も変わらなければ

 晴れ渡った青空を背景に、小ぢんまりとしたログハウスの店がある。ここが、今年4月にオープンした石塔の専門店「 伯磊」。「店の名前は『はくらく』と読みます。磊という字は、磊落の磊。『いしがごろごろしている』とか、『小さなこ とにこだわらない』といった意味がありますが、これを『らく』と読ませました。古代中国の『伯楽』にあやかっての造 語です」そんなふうに説明してくれたのは、この店を経営する佐賀石材店のオーナー、佐賀淳さん。石塔というと、 どうしても縦長の墓石ばかりがイメージされがちなのを嫌い、もっと自由な発想の石塔があってもいいのではと、こ の提案型の店を開いた。
  「ライフスタイルが変わってきているのに、お墓だけが変わらないというのは不思議だなと思ったんです。そこで、 従来の墓参りという概念ではなく、『懐かしい人に会いに行く』という発想を持っていただければと…。墓石だけを 変えるのではなく、店舗も変わらなくてはと思い、このようなデザインのものを選びました」と佐賀さん。
  さまざまなジャンルの建築物を参考にし、設計士にも相談したが、なかなかしっくりくるものに出合えなかった佐賀 さん。そんなとき知り合いが紹介してくれたログハウスメーカーの物件を知り、木の存在感に強く惹かれた。
  「もちろん予算のこともありましたが、それまで木造は候補に挙げていませんでした。ところが親和木材工業さんの 物件を見たとき、『これなら心が癒される』と思いました。キットとしていくつかのタイプがありましたが、こちらから もいくつか要望を出させていただき、今の店が完成したんです」
  佐賀さんが選んだ、親和木材工業が手がけるログミニキットハウスは、コラムウッド(中空木材)と呼ばれ、壁材の中 心に空洞が通っているのが特徴。これによって断熱性が向上し、軽量のためセルフビルドが可能というメリットもあ る。事実、施工には佐賀さんのところのスタッフも参加し、ほとんど人力で組み上げてしまったという。「この建物に 出会わなければ、まだいろいろ悩んでいたかもしれませんね(笑)」大きな引戸をいっぱいに開け放ち、爽やかな秋 の風を頬に受けながら佐賀さん。目の前の芝生には秋の草花が咲いていた。



1/伯磊では墓石の提案だけでなく、ガーデニングのアドバイスも行っ ている。墓石や石碑を総称して石塔と呼ぶが、メモリアルのためだけ でなく、庭の演出としての石の存在も見逃せない。
2/キットの標準仕様はドアだが、佐賀さんの希望で出入口はすべて 引戸に統一。それも1間の間口があるので、開け放つと素晴らしい開 放感が得られる。
3/オープンカフェを連想させるデッキ。ベンチに腰掛けて、庭の風景 を楽しむのも一興。
4/店の前の庭には、季節の草花が彩りを添えている。
5・6/「憩い庵」と名付けられた伯磊店舗内部。その名前のとおり、 ゆっくりとくつろげる空間が広がる。「ソファーに腰掛けたとき庭が見 えるように」と、窓の位置を低くした。これもピース・エン・ピースだから こそ可能になったもの。木の家ならではの小屋組みは、キットとは思え ないほどしっかりしている。「節を隠しながら木目は見せたい」というこ とで、内壁の塗装にはミルク色のバトンという塗料を用いている。






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