大胆!ハンドカットログ

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家族と共に、のんびり作り上げた家は、いまだ成長中
岡山県 植木邸





家族揃って田舎暮らしをしたい、そんな夢をログハウスで実現する

 清らかな小川が流れる自然林の間から、野生のリスやシカが時折姿をのぞかせる八ヶ岳南麓、標高700mの地。雑木林のなかの小 「昔から妻と、家族みんなで自給自足に近い生活をしたいね、という話をしていたんですよ。田舎で暮らして、テレビドラマの『大草 原の小さな家』や『北の国から』のような、自然豊かな環境の中で子どもたちをのびのびと育てたいって」
 話してくれたのは、岡山県真庭市を拠点に、地元の木や自然素材を使った家作りにこだわるログハウスビルダー、工房 やまん衆の植 木衆さん。もともと兵庫県出身だったご夫妻は、その後、ログハウスメーカーのあった栃木県へと移り住む。それが今から15年程前 に、転機を迎えることとなる。
 「独立を考えていた頃、ちょうど岡山県の林業の関係者の方が、ここへ来てやってみないかって声をかけてくれたんです。ログハウス を建てて住むのなら、まわりにあまり人が住んでいない場所と決めていたので、それまでにも、条件に合いそうな場所を見学に行って いたんですよ。ただ、岡山県の林業への取り組みがとても熱心で、特に真庭市の勝山は“木材の町”としてよく知られていました。地 元の木を使ったログハウスを建ててみたいな、って思うようになったんです」と岡山県へのIターンの経緯を話してくれた。


様々な落葉樹が生い茂った、雑木林を切り拓いて家作りがスタート

 岡山県へ移り住んできてから3年ほどは、じっくりと時間をかけて「まわりが森に囲まれた、人のあまりやって来ない山の中」という 条件に合った土地を探すことに費やした。今から約10年前に、植木さんの仕事の合間を縫うようにして、いよいよ自宅の建築がはじ められたそうだ。  作業はまず周辺を整地することからスタートし、道路から家へと通じる道を整備した後、周囲にはうっそうとした雑木林が広がって いたため、それを切り拓くことからはじめなくてはならなかった。
 「それが気に入ってこの場所の購入を決めたので、作業も苦ではなかったですよ。それよりも、せっかく育った雑木林をできるだけ壊 さないように、必要最低限の部分だけを切り拓いて整地するように心掛けました。この辺りの山には、樹木は多いんですが、そのほと んどが植林された木ですから。いろいろな落葉樹が生い茂った自然林は、とても少ないので大切にしないと」敷地のまわりには、クヌギ、クリ、シイ、ネム、山桜などをはじめとした、様々な落葉樹が自由に背を伸ばしている。夏になると木々の葉 が生い茂り、まるで隠れ家のようにログハウスの姿をすっぽりと包み込む。冬になると葉がすっかりと落ち、木々の中に家の姿が浮か び上がるのも、風情があって何ともいえない味わいがあるそうだ。また、雑木林が残っているおかげか、野ウサギやキツネ、ときには イノシシも姿を現す。


自宅がモデルハウスとしても活躍、おかげで仕事もどんどん増えるように

 ハンドカット8割に少々ポスト&ビームを加えた混構造のログハウス。この形にいたるまでには、奥様の意見を聞いたり、2人の子ども には絵を描かせたりと、どんなログハウスに住みたいのかを家族みんなで話し合って決めたのだとか。「でも、妻は最初の頃はハンドカットのフルログを建てたい、といっていたんですよね。子どもたちもいろいろな意見を出してきて、 結局、家族みんなの意見を詰め込んで設計してみたら、家のサイズがあまりに大きくなり過ぎてしまいました。ですから、家族の意見 を少しずつ採用して、それを折衷しつつサイズを小さくしていくことで設計されたのが今の家なんです」
 そもそもこちらのログハウスは、自宅兼モデルハウスにしようという意図をもって建てられている。そのためこの家には、植木さん のログハウスビルダーとしての技術の粋が各所に込められており、複雑かつ見事な構造を織り成している。外観で特徴的なのが、その屋根の形である。複数の切り妻の屋根を組み合わせることによって、ひとつの屋根を形成。そのため家 を眺める角度によって、様々な表情を垣間見せてくれる。その他にも、柱の組み方によって上からの力を分散させることで、ログハウ スでは難しいとされる柱と壁の混構造を実現。ノッチの数を増やすことで間仕切り壁を少なくし、丸太を組むだけで家が建つように 仕上げられている。
 また、リビングの一角に4畳半くらいの畳のスペースが設けられており、そこに掘りごたつが切られている設計もおもしろい。加え て、大窓を取り付けたサンルームが設けられているため、リビングが非常に明るく開放的な雰囲気に仕上がっているのも見逃せない ポイントである。







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