個性的な最新実例を満したログハウス専門誌


 
広々としたウッドデッキでぽかぽかの陽射しになごむ週末
 清らかな小川が流れる自然林の間から、野生のリスやシカが時折姿をのぞかせる八ヶ岳南麓、標高700mの地。雑木林のなかの小 道を車で進むと、陽だまりの芝生に囲まれて太陽光パネルの屋根が見えた。2006年4月に完成したばかりのログハウスだが、その たたずまいは周囲の自然にすっかり溶け込んでいる。この家を建てたオーナーは、東京都多摩市在住の三田村栄一さん・正子さんご 夫妻。若い頃から山の暮らしに憧れていたという栄一さんはこう語る。
  「学生時代から登山をやっていたので、“いつか山で暮らせたら……”という思いをずっと持ち続けていました。この土地を購入した のは20年前、40代のころ。当時から山に家を建てるならログハウスがいい、と思っていました」 当時の土地は、まったくの原野だったが、しだいにぽつん、ぽつんと別荘が建ち始め、電気や水道も通るようになった。20年前から 温め続けた夢を、本気で実現しようと思い立ったのはちょうどそのころ、自宅がある近所にオープンしたのが、ログハウスの施工会社 「アペント」。

 
 

  当初は“ひやかし”で立ち寄ったというが、代 表取締役の佐々木さんの熱意と人柄に安心し、 フィンランドの輸入ログハウスづくりを依頼する ことになった。 「佐々木さん自身が元大工さん だったので、ふつうのセールスマンとはまったく 違う印象を受けたんです。土地のことなどいろ いろ熱心に調べてくれましたし、もちろん家づく りのことをよくわかっている。そんな安心感があ りました。ほかの業者に依頼して自宅をリフォー ムした際には不満が残りましたが、佐々木さんは 私たちが本当に満足できる家をつくってくれまし た」。オール電化とし、屋根には太陽光パネルを 設置。また水道も引ける土地ながらあえて井戸 を掘り、電気代や水道代を節約できるエコロジー 住宅とした。さらに憧れていたダッチウエスト社 の薪ストーブを設置してくれたのも、うれしい“ おまけ”だった。
 「清里で太陽光発電の普及活動をしている人を 知り、通常より安く太陽光パネルを設置できたの が幸いでした。ここを訪れるのは月に2〜3回な ので、電気代はほとんどかかりません。電力会社 に電気を売っているので、電気を使わなかった月 は2000〜4000円程度が収入になるのでうれ しいですね」。外に積まれている丸太は、家を建 てる際に伐採した木。ストーブに使うため、栄一 さんが薪割りに挑む予定だ。室内は窓から陽射し がふんだんに入り、どの部屋にいても昼間はまっ たく照明が必要ないほど明るい。
 木の香りが心地いいリビングから、広々としたウッドデッキに出れは、陽だまりの庭。日向ぼっこをしながら読書をしたり、陽射しのも とで朝食をとるのも楽しみであろう。



右:北欧アカマツの香りが心地いい。機密性が高く、冬は薪ストーブひとつで家全体が十分に温まる
 



 

 
リビングに設置された薪ストーブ。今秋から薪割りが栄一さんの 仕事になりそうだ。「炎を眺めているだけで、なぜかワクワクしま す」と正子さん。階段の壁にも窓がとられていて明るい

芝生の庭に面したウッドデッキでくつろぐご夫妻。 ゆるやかな斜面の上に位置するので、林の中であ りながら、日当たりがよい →
 
 
ダイニングには、木のテーブ ルとイス。シンプルなデザイン の家具を厳選し、心地いい空 間をつくっている