個性的な最新実例を満したログハウス専門誌



 
共通の趣味で意気投合し国産材を使う理念に共感
 
本州と大橋でつながる大島は、瀬戸内海の穏やかな海と、どこまでも広がる青い空に抱かれるようにしてある小さな島だ。大島で 生まれ育った石村進さんと昌子さんご夫妻は、以前から「いつかは故郷に帰りたい」という思いで大阪は枚方市に暮らしてきた。
  石村さんご夫妻が、大島にログハウスを建てたのは1999年のこと。きっかけは、住宅展示場でログハウスを見たことに始まる。「昔から木が好きだったということもあって、ログハウスを展示場で見たときは一目惚れしました。社宅やマンションなど、いろんな住 まいを経験したのですが、ログハウスなら目先も変わるし、楽しそうな感じがするでしょう。家内と『ログハウスにしようか』と決めま した」話してくださるのは、ご主人の進さん。昌子さんは、「私は、木彫りやステンドグラス、布染めなどの手仕事が好きで、長年趣味 でやってきました。手仕事とログハウスって、イメージが合うと思ったの。木に囲まれて手仕事ができたら素敵だなって」と、ログハウ スに決めた理由を語ってくれた。
  カントリー工房との出会いは、大島に最も近い場所にオフィスがある会社だから訪ねてみようと、ご夫妻が同工房に出向いたことに 始まる。「カントリー工房さんのオフィスには、ログハウスをモチーフにした大きなステンドグラスがあって、それを見た途端ピンとき ました。そして、お話ししてみて『この人にお願いしよう』と心が決まりました」
  ステンドグラスを手がけてきた昌子さんは、共通の趣味を持つカントリー工房の岡部さんに親近感を感じ、同様の感想を抱いた進 さんは、「日本の気候に合うログハウスを建てるには、国産材を使うべき」という岡部さんの考えを聞いて、「理にかなっていると思 いました。聞けば、大分県の日田杉を使うとおっしゃるし、筋が通っているなあと思いました」と振り返る。

実現したい暮らしを考え間取りを熟考

 念願のログハウスを建てるにあたって、こだわった点をお聞きした。昌子さんは、「間取りを考えるために、私たち夫婦が、ここでど のような生活をしたいのかを書き出しました。すると、『木に囲まれて暮らす。畑をする。手仕事をする。アメリカで購入した木の家 具を置く。収納を多く取る』という5項目が出てきました。そして、私が考えた間取り図を基に何度もやりとりしたのです」  
  間取りは当初、1階はリビングと寝室のみの2部屋にして田の字形で構成し、ロフトには進さんと昌子さんの個室を2部屋設えるこ とで決定していた。ところが、客間を造っておいたほうが便利なのではということになり、急きょ1階にひと部屋増やすことに。 「この客間がとても便利なんです。ふだん、お客様がないときは私が使うことが多いのですが、余分な部屋を一つでも造っておくと 融通が利くので、とてもいいですよ」と昌子さん。また収納は、スペースを有効利用するために扉はすべて引戸にして、ロフトの各個 室へつながる廊下の壁面に、左右から出し入れができる広さにした。十分な収納スペースがあるため、余計な物が目に付かない、ス ッキリとした暮らしが実現している。さらに「木に囲まれて暮らす」というのは、庭に木を植えるということなのだという。昌子さんが 好きな「アメリカ楓(ふう)」の小さな苗木をログハウスの周囲に数本植えたところ、グングン生長し、今では窓のどこからでもアメリ カ楓が見える。大島は台風の多い地方だが、生長したアメリカ楓は、台風からログハウスを守る防風林の役目も果たしている。
 

  ダイニングからリビングルームを望む。薪ストーブはアメリカ製のダッチウエスト。ソファーとテーブルは進さんがアメリカに単身赴任しているときに購入したもの。「まるでログハウス用に、誂えたようでしょう」。

室内でも洗濯物が乾く住み心地は快適そのもの
 「ログハウスにして、思わぬよいところがあった」と昌子さんは言う。「夏場はもち ろん、冬でも梅雨でも、洗濯物や布団を室内に干すと、1日あればカラッと乾くの。 とにかく住み心地は快適そのもの。ログハウスにしてよかったと思っています」
  ご夫妻は、1年のほとんどを枚方で過ごし、ときどき大島を訪ねて長期滞在する 暮らしを7年間続けているが、「近い将来、大島に本格的に引っ越しをする」とか。 「今も楽しいけれど、引っ越して来るのも楽しみです」 ログハウスで故郷での暮らしを謳歌するご夫妻の笑顔が輝いた。
  ロフトの階段踊り場から見た1階のリビングルーム。丸太組 み構法ならではのダイナミックな空間が魅力。