リタイアを機に自然の中で暮らす




 
庭づくりを手がけたのは安達さん自身。大阪でも 庭を造るのが楽しみだったと言うだけに、高木の配 置と芝地のバランスがいい。これなら木陰でお茶 を楽しみたくなってくる。塀際の立ち木も、フェンス をずらして残すといった心遣いも見て取れる。

 
コンパクトにまとめられたキッチン。機能を優先させ た設計になっている。1階の廊下を挟んだ反対側にある主寝室。隣接す る小部屋はウォーク・イン・クローゼットとして使って いたが、家族が増えたので書斎を兼ねることにな った。大きなベッドカバーも、手づくりのパッチワー ク。

 
玄関からホールを望む。シンプルな構造や フラットな壁面を利用して、リーサさんのパッ チワーク作品が飾られている。

 

お気に入りの家具や小物で演出されたリビング・ダイニングスペース。別荘らしいオープンな空間と 生活機能をスムーズにする動線は、フリープランから生まれた。「4年半住んだ今も、快適さは変わり ません」と安達さん。一般住宅ならただ古びていくところだが、ログハウスは「いい味」を出していくと ころに大きな魅力がありそうだ。


焼物の里・信楽を抜けると、街の喧噪が嘘のように、のどかな山間の風景が広が る。その一画の別荘地に建つのが、安達勇さん(62歳)、リーサさんご夫妻の住む マシンカット・ログハウスだ。別荘地といっても永住している方々も少なくなく、思い 思いの趣向を凝らした家々が並ぶ。
  安達さんご夫妻がこの地に越してきたのは、今から4年半ほど前。ご主人の定年 を機に大阪を離れ、自然あふれる環境での永住を目指したからにほかならない。 「候補地はいくつかありましたが、週に1回は以前の仕事の関係で大阪に出かけな ければいけないので、自然環境のよさのほかにアクセスのよさも考慮して信楽に土 地を求めました」
  と話す安達さん。奥様のリーサさんがフィンランド生まれで、趣は違うが、やはり森 に囲まれた環境を望んだのも、この地を選んだ理由の一つに挙げられるだろう。
  「妻がフィンランド人ということもあり、ここを手がけたスオミインターナショナルコー ポ(以下、スオミ)の松井社長とは以前からの知り合いだったんです。最初はほかの 工法の住宅も検討しましたが、住宅としてマシンカット・ログハウスは適していると判 断し、お願いすることにしたんです」
  スオミの松井洋二社長は若いころに世界中を訪ね、旅の途中で立ち寄ったフィン ランドの自然の美しさや人々の親切な心に惹かれて長期滞在。そこで働いていると きに、現在の奥様のエイラさんと知り合って結婚した。だから、マシンカット・ログハ ウスへの思いも、ことのほか熱い。ちなみに「スオミ」とは、フィンランド語で「フィン ランド」を意味する言葉。


プランニングに関して安達さんは、ごくシンプルに考えた。つまり、夫婦二人で暮 らすための快適な空間があればいいと。だから間取りは、土地の広さと形状に合わ せただけに留めた。ただし庭づくりを楽しみたいということで、そのスペースは最初 から確保した。
  「私がアウトドア派だとすれば、妻はインドア派。大阪時代にパッチワーク教室を開 いたりブティックもやっていたので、室内のインテリアは妻に任せました」と説明してくれた室内に目を移すと、その言葉どおり、壁面を飾るのはリーサさん 手づくりのパッチワーク作品。とかく「マシンカット・ログハウスの壁面は、フラットな だけに単調になりやすい」と言われるが、逆にそれをキャンバスに見立て、上手に演 出しているのが印象的だ。
  間取りに関して特にリーサさんから注文は出なかったが、ご主人は段差のない室 内を希望。フリープランでの設計なので、今でも快適だとか。
  そんなお二人だけの生活に、最近になって家族が増えた。娘さんと、二人のお孫 さんが一緒に暮らすようになったのである。
  「夫婦二人だけの生活を想定して間取りを考えてもらったので、急きょロフトを娘と 孫に明け渡しました。こればかりは計算外でしたね(笑)」
  その声は、むしろ楽し気。5人で暮らすには手狭な気もしないではないが、オープンな空間が、逆にフレキシ ビリティーを発揮しているようだ。

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オープン感覚のロフト。ミサさん、エリサちゃん、リナちゃんが暮らしに加わっ たことで、ここが子供たちのプライベート空間になった。日中はダイニングテ ーブルが勉強机の代わりを果たし、夜になればテーブルを部屋の隅に片づ けて、布団を敷く。このオープンスペースの奥に納戸があるが、そこは現在 一人で集中して勉強したいときに使う部屋になっている。 母屋(もや)下が、ちょっとした収納庫。限られた空間だからこそ、工夫の妙 味が発揮されるのだろう。


ログハウスDATA

●延べ床面積:119m2 [1階72m2/ロフト47m2]
●デッキ(ポーチ含む):4.95
●主構造材の種類:パイン(95×169mm芯去り材)
●構法の種類:丸太組み構法(マシンカット・ログ)
●基礎の種類:ベタ基礎 
●屋根材:カラー鉄板
●外壁材:パイン 
●内壁材:パイン
●天井材:パイン(14×120mm)
●床材:パイン(28×95mm無垢材)
●外壁塗装剤:キシラデコール 
●総工費:2200万円
●工事着工年月:2001年2月 
●完成年月:2001年4月
●設計企業:スオミインターナショナルコーポ
●施工企業:スオミインターナショナルコーポ
●建物使用目的:住宅



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