親子二代でログハウス


南東から建物正面を見る。右デッキはキッチン勝手口に、左デッキは和室へと繋がる。外壁塗装は、奥様のご要望で八潮産商がブレンドしたオリジナルカラー


若いうちに建てよう 夢のマイホームを実現

 のどかに単線を上毛電鉄は行く。
降り立ったのは陽だまりの新里駅。本誌では2度目の訪問となる。本稿取材先の施工者・
八潮産商は、同じ群馬県内・太田市。そうそう、1度目も同じビルダーだ。車で約15分、 広がる一面の田園風景に目指すログハウスはあった。素朴な積み木の家のような外観、整然と並ぶ木の柵、養生中の芝生─。盛夏を過ぎた夏の静けさにも、また、木の家は似つかわしく佇む。
「芝生は、自分で張ったんですよ」
とは、オーナーのYさん。
「若いもんに、手のかかる芝生は無理だなんて言われるんですけど(笑)」若いもん…。そう、Yさんは、おん年は弱冠の26歳。なんと、この若さで、伊勢崎のマンションから移り住み、夢のマイホーム実現に踏み切ったのだそう。
思い切りましたね?
「若いうちに建てて、体が動いているうちに返してしまおうと考えました。それから、子供を、自然の中で丈夫な体に育ててあげたいと思ったのも大きいです」
しっかりした考えをお持ちだ。




親子二代でログハウス  ご両親よりの心強いアドバイス

 それにしても、なぜ木の家?
 「私の両親がログハウスを建てたんです。しばらく一緒に住んで、住むのにいい家なん
だと知りました。それまでは、ペンションくらいのイメージしかなかったんですが」
思い出した!
前回、新里駅を訪れたのが2016年版。
この時、ご登場いただいたのがYさんのご両親のログハウスだ。
「すぐ近くです。ここから車で2分くらいのところに両親のログハウスがありますよ」
親子二代でのログハウス。となると、メーカー選びや間取りの考え方など、一子相伝、いろいろアドバイスがあった?
「父から、建てるなら八潮がいいよ、と言われていました。『何と言っても、使ってる
木がいい』と。それから『仕上がりに重厚感があるのもいい』と言っていました」
プランづくりも、ご両親にアドバイスをもらいながら進めた。自分たちのイメージをあげて、意見をもらい、まとめていく。その設計士(?)は誰かと言うと…。
「妻が、エクセルで全部図にしたんです。もちろん正式な図面ではないですが」

キッチンからリビングを見渡す。いつでも子供の姿を見ていられる。

扉は少なく開放的な家に いろんな考えが詰まったプラン

 その奥様に、プラン全容を伺った。
「コンセプトは、小さい時に遊んだシルバニアファミリーのお家です(笑)。可愛らし
いログハウスにしたいと思いました」
 なるほど、素朴な木のおもちゃのような印象はそのためか。赤い屋根、明るい茶のログ壁、白い塗り壁。八潮と言えば重厚感際立つイメージだが、こんな作風もあるのか。
 他にも、いろんな考えが詰まっている。実際の建物と共にひと通り見てみたい。まず、全体的に扉は少なく、開放的なつくりとした。1階はリビングを中心に、キッチン、障子を開放した和室、そして、水場はカーテンだけで、一体的につながる。
「全体を見渡せて、家族が、いつも一緒にいられるような家にしたいんです」
 それから窓。初めは、リビング前面に大きな窓ひとつと考えた。しかし、これはご両親のアドバイスが効いた。大き過ぎると寒くなるし、掃除も大変になる。そこで、適度な大きさの窓を、時間帯を考えた明り採りとして、ちょこちょこと家中に配した。
 キッチンは、アイランドで対面式。家族の顔をいつも見られるようにしたい。東側には
勝手口をつけた。ゴミ出しに便利だし、明り採りにもなる。北側だと風が強い。
 リビングから上がり框でつながる和室は落ち着きの場。冬はこたつを置きたい。掃き出
しでデッキがあたかも縁側のように繋がり、ゲストルームとしても良さそう。
 それから、リビングと玄関とをつなぐ土間は、できるだけ長く、大きくした。
「子供がダダダっと入れるようにしました。汚れた服は、ここですぐ脱げますし」
リビングとの境目、目かくしは、ただ隠すだけではつまらないので、インテリア風の飾
り棚にした。小物の収納や思い出の品を飾れる他、足元は靴箱にもなる。そして、2階。まず、広々と子供部屋を。将来、子供が2人になったときに2部屋にできるよう真ん中で仕切れるようにした。
ご夫婦の寝室はドーマー式で中の空間を大きく。屋根の下がる壁際まで行っても、大人一人、余裕で立っていられる。
収納もしっかり考えた。寝室はウォークインクローゼットにつながる。そして、子供部屋上には、大きな、大きなロフト。
「今は、もっぱら子供の遊び場になっています。近所の子が集まるたび、上がっては、寝っ転がったりしています(笑)」




子供が成長するに従って どんな家になるか楽しみ

 住み始めたのが今年の2月。住み心地はいかがだろうか?
奥様はこう答える。
「最初はちょっとのキズにも慎重になっていたんです。「ささくれになるのでは?」と思ったり。でも、そんなことなかった。むしろ、裸足で生活するのが気持ちいい。暖かみがあって。今は、遊びに来る子にも『キズついてもいい家だよ』って言っています」
初めての夏は、マンションとは比べものにならなかった。窓を全開にすれば、涼しい風
 が抜ける。エアコンは使わない。
「暑くないとは言いませんが、自然と一体になるような心地よい暑さがあるんです」
冬の寒さも穏やか。ドアがないこともあり家の中で極端に寒いところがない。
「冬でも起きるのが苦でないんです」
手をかけていくのも楽しい。
ご主人自ら芝生を張ったほか、木の柵も砂場もDIY。テレビ台などの家具も日曜大工。
次はブランコ造りにも挑戦したい。
「人を呼ぶ家、そして、子供たちにも使い勝手のいい家にしたいんです。庭もこれから。
子供が成長するに従って、家も完成する。どんな家になるか楽しみです」と、ご主人。
二代続いたログハウス造り。家への思いは引き継がれ、今、新たな歩みを。次は三代へ
と続く? それは、乞うご期待。





■取材協力:㈲八潮産商ログハウス事業部 TEL.0276-37-6625

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