奥様のアイデアを取り入れたログハウス


家事をする奥様の使い勝手を考えた円を描いて流れる動線にこだわる

じっくりと1年以上の時間をかけていくつもの展示場を見てまわる日々

 この辺りの名産品として知られる、落花生の畑が広がる千葉県八街市ののどかな田園風景。そして、住宅地の中にゆったりと居を構 えた丸山さん一家のログハウスが見えてくる。
 「学生時代からひとり旅をすることが好きだったんですよ。それで日本はもとより、アメリカや中国といった外国をまわっていました。 いろいろな場所でその土地ならではの建物と出会ううちに、自然とログハウスに住んでみたいな、と思うようになったんです」という のは、一級建築士の資格を持つご主人の丸山隆行さん。そして夢は、建築会社への就職を経て15年程が経過した後、見事に結実する こととなる。ただ、構想することから実際に建築にいたるまでには、少し時間がかかったのだとか。丸山さんが当初持っていたのは、「 ぱっと見てシンプルな作り」という漠然としたイメージだけで、具体的な形を描くことができずにいた。そのため、ログハウスに関する 書籍を数多く読むことにはじまり、カタログを取り寄せて目を通し、山中湖や野田などの展示場めぐりを1年以上続けた。「自分が家作 りに携わってきた経験から感じるんですが、カタログを見ているだけでは絶対にダメなんですよ。とにかく、実物を自分の目で見て、実際に自分の手で触ってみないことには、ものの本当の良さというのはわかりませんからね」

実際に様々なログハウスを見ることで奥様も建築に賛成することに

 ログハウスを建てたいと思っていたのは、はじめのうちはご主人だけ。奥様の明子さんはというと「正直、あまり気乗りがしなかった …」。 「ワンルームのただ広いだけの家というか、“別荘”というイメージしか思い浮かばなくて、普段住むための家としてログハウス は考えられなかった」という不安感が、反対する大きな理由だった。それが賛成へと傾くきっかけは、ご主人に引っ張って連れて行か れた展示場めぐりにある。様々な場所で実際に建てられているログハウスを直接見て、触れることによって、「普段の住まいとしても 快適なんだ」という方向へ考えが少しずつ変わっていったそうだ。それにつれて家の形も「まずシンプルであることが条件でした。大 屋根の切妻造りになった、ログハウスらしい定番がよかったんですよ。開放感を重視して、上からたくさんの光が降り注ぐ造りが理想だ ったので、吹き抜けも絶対ほしいと思いました。その部分を床にすればもっとスペースができたんでしょうが、やっぱり吹き抜けの開 放感には代えがたいですよ」と夫婦の間でイメージが固まってきた。建築を決めて設計や建設会社の担当者と、地に足をすえてじっくり話し合いを行った、04年12月に契約。05年3月に着工すると、 同年9月に念願のログハウスがいよいよ完成することとなった。

家事をする奥様の使い勝手を考え1枚の壁を中心に動線が展開する設計に

 ログハウスで特徴的なのは「動線」である。家事をする奥様の使い勝手を一番に考えてあるため、リビングとダイニングの間を仕切 る1Fの壁を中心にして生活のスペースが展開。玄関、洗面所、台所、ダイニング、リビングが、円を描くようにして配置されている設計 は、奥様も非常に気に入っている。また、リビングの横に設えられた、小上がりの和室も特徴的である。「子どもが遊ぶときにも、あるい は妻が洗濯物を畳むときにも、畳敷きの和室スペースがあると便利だろう」というご主人の意図が込められたこちらの和室は、仕切ら ずにワンルーム的な使い方もできる点が非常に秀逸。その縁にベンチのように腰掛けることで、リビングと一体になることができるの で、奥様も「ここに座ってリビングやダイニングの方を眺めているのが好き」と、家の中のお気に入りの場所としてこのスペースを挙 げている。

八ヶ岳の工房へ何度も足を運び思い描いた理想のオーダー家具が完成

 八ヶ岳の工房へ何度も足を運び思い描いた理想のオーダー家具が完成 
 インテリアの面でも、様々なこだわりを見ることができる。家の各所で存在感を発揮しているオーダー家具。「大きなテーブルを置き たかったので、ダイニングは広くしたかったんですよ」と、設計段階から意図していた大型のテーブルもそのひとつ。八ヶ岳で家具作り をされている出戸明氏に依頼し、工房へも何度も足を運ぶことで理想の家具を製作して頂いた。「ダイニングで使っている椅子なん て、背もたれのデザインを決めるためだけに八ヶ岳へ行きましたからね」と、一家揃って工房詣でに出かけたことは数知れないと丸山 さんは笑う。そして、「オーダー家具を製作してもらうには、お金はそれなりにかかりますが、何しろ一生ものですから。それに長く使 い込んでいくうちに、それぞれの家具に表情が出てくるからいいんですよ」と、少しずつ風合いを増してきた、ダイニングのテーブル をなでながら語ってくれた。
 展示場めぐりにはじまって、理想の家探しに時間と労力を惜しまなかった丸山さん一家のログハウス作り。それが本当に楽しい時間 であったように話されていたのが、実に印象的であった。

左:右手はリビング、左手には和室の小上がりのスペースが広がる
右:2Fの吹き抜け。手前のソファーはご主人と息子さんのお気に入りスペース








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