ログビルダーが始めて建てたP&B

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ログビルダーが初めて挑戦したのはP&Bのセミビルド
群馬県太田市 石野邸

前後にドーマーが設けられている。屋根瓦はフランス製。建物とのバランスを保ちながらも上品なインパクトがある外観を 求めた結果のチョイスだ。1枚ずつ微妙に異なる表情がある。日本の瓦にはない色合いである。また、玄関に向かって左 側がキッチンに当たるのだが、ここは当初は出窓ふうにする予定だったが、シンプルなほうがよいだろうとの判断で取りや めた。(上・右下)

 
床暖房が入っているから必要はないのだが、ご主人は「ログハウスに薪ストーブは 必 須だ 」という 思 いから設 置 。

 
右:三角窓からの自然光明るいキッチン 。吊戸棚はできたてのホヤホヤ(実は扉の開閉がちょっとぎ こちない)。その 向こう側を、こ れ からダイニ ングとして整えていく予 定 。
左:玄関を入るとらせん階段の白い壁が目に入る。白くて 柔らかい曲線がアクセントに 。リビングの 目隠しにもなっている 。

自分で作るからこその難しさに直面

 石野さんはログハウスメーカーである八潮のログビルダーだ。当然この家の設計は石野さん自身の手による。施工は、屋根を上げ るまでを八潮が担当し、それ以降の仕上げを石野さんが自分の手で行った。言ってみれば「セミセルフビルド」だ。ということは、石野 さんがログハウスのプロとして理想の家を建てたということではないのか。そう考えるのが人情というものだ。期待に胸がふくらむ 「いやあ、それがそうでもないんですよ」と石野さん。「リビングやキッチン、階段などの配置、隣家との関係に配慮した開口部の位置 といった設計、素材選びやデザインなどの点では、もちろん自分なりの工夫ができたと思いますし、納得のいく仕事ができたと思うん ですが、実際の作業はなかなか思うようにいかなくって」当初は得意中の得意であるフルログで建てようと思っていたのだが、勉強 になるのではないかと思って、ポスト&ビームを選択した。 「いつもは丸太ばっかり扱っていますから、この材料は丸ノコで切るものなのかカッターナイフで切ればいいのか、と悩むことも。
  設備にしても、システムキッチンが運び込まれて設置はするけど、造作キッチンは親方の仕事でまだ作ったことはない。左官仕事も近 くで見てはいるんだけど、いざやるとなるとどうすればいいのかわからない。タイルの張り方なんて、ホームセンターのタイル売り場 のおじさんに聞いちゃいましたからね」
  特に、キッチンで苦労した。というか苦労中である。「作り始めてからわかったのですが、自分が料理をしないものだから、いくら考 えても、どんなキッチンにすれば使い勝手がいいのかわからない」 そこで奥様に意見を求めたのだが、返ってきたのは「使ってみ ないとわからない」という冗談のような答え。それはそうだろう。過去の経験から「使いにくい」点をいくつか指摘することはできる だろうが、専門家でもないし、日常生活の中でそれほど意識して使っているわけでもないから、「使いやすいキッチンとは何か」と、改 めて聞かれても答えられるわけがない。
  「だから、キッチンはいまでも少しずつ手を加えていっているんですよ。問題は、少しずつ追加していったせいで、全体の統一感が崩 れがちなことです」なるほど、専門家ならではの、自分でできるからこその難しさがあるのだ。

趣味も仕事も家づくり。いつか息子と一緒に

 もう一つ予想外だったことがある。「思っていた以上に時間がかかってしまったこと。自分が施主ですから、工期というものがあり ません。その点は気楽だったんですが、時間にゆとりがあるものだから、日頃の仕事ではできないことをついやってみたくなるんで す。 それと、作業は基本的に仕事が終わってからと、休日に行うことになりますから、疲れちゃって」半年程度で暮らし始めるつもり だったが、実際には10ヵ月もかかってしまったのだそうだ。「確かに勉強にはなりました。特に設計の発想が広がったような気がしま す。ポスト&ビームは在来工法と基本的な考え方が同じですから、もっと勉強して、八潮のラインナップに反映させていければと思い ます」
  キッチンだけでなく、ダイニングのレイアウト、将来同居する予定のお母様のための和室の仕上げなど、まだまだ作業は残っている 。外構も手付かずのままだ。せっかくのきれいな外観がさらに映えるような庭を整えたい。


「八潮に入る前からログハウス好きで、い つかは自分で自分の家を建てたいと思っていたし、そのためにずっと勉強を続けてきましたから、本当はこの状況が楽しくって仕方 ないんですよ。趣味と仕事が同じなんです。やることがなくなった らどうしようって思っているくらいです」自分の手で家を造ったことで、嬉しい副産物もあった。「最初は友 人たちを無理やり誘って手伝わせていたんですが、そのうちみんな 夢中になっちゃって。いいコミュニケーションになりました。ログハ ウスの魅力も伝わったと思いますし」
  そして何より、家族の絆が深まった。壁の漆喰は、ほとんどを奥様 が塗ったのだという。5歳になる来輝君も手伝った。奥様が言う。「 頼もしいと思ったんでしょうねえ。どうやらこの子は父親のことを尊 敬しているみたいなんです。大きくなったら大工さんになるって言 っていますし」それを聞いたご主人の嬉しそうなこと。

2階の主寝室。L字形になっている。ベッドを置く位置が天井の傾きに合わせ て考えられている。

  
左:リビング前のデッキ。正面のドアはダイニ ングに通じている。
中:これは1階のトイレ。決して広くはないが、 落ち着く空間。
右:基本的に家族しか使わない2階の洗面 台は、省スペースで廊下に設置。でも人 目に触れることは確かだから、ボウルや鏡 のフレームのデザインにはこだわった。





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