個性的な最新実例を満したログハウス専門誌
   

ソーセージやミートローフの加工用、あるいはパンを焼くスペース用に建てたミニログ。このレス トランのソーセージは肉がぎっしり詰まってとてもジューシーだ。
道南随一の酪農郷と呼ばれる八雲町。内浦 湾に面し、北海道にしてはおだやかで温暖な 気候に恵まれたのどかな町だ。角ログのシルエットが美しいスイス料理のレ ストラン「アルポン」があるのは、太平洋から 日本海をわずか30kmほどで結ぶ国道277号 線沿い。レストランの周囲には見渡す限りの 牧草地が広がっている。

←人なつこい愛犬アロンは常連客の人気 者。店舗の脇にはテラスがあり、テラスを 抜けると広大な牧草地が広がる。
     


 
部材も薪ストーブも個人輸入しフィンランドのビルダーが建築
 オーナーの佐藤渥子さんは東京都出身。シェフとして東京で働いていたスイス人のベアード・アッシュ ワンデンさんに見初められて結婚した。その後、ご主人の帯広・グリュック王国内レストランへの勤務に 伴い、佐藤さんも北海道に移り住んだ。
  しばらくしてご主人は独立し、平成4年にレストランを貸店舗で黒松内にオープン。さらに平成7年に八 雲町に念願のログハウスのレストランをオープンした。しかしオープンからわずか2年後の平成9年、突 然ご主人は他界してしまう。佐藤さんはレストランを手放すことなく、ご主人の遺志を継いで本場スイス 料理のレシピを忠実に守りながら営業を続けた。今では道内のグルメ雑誌でよく見かける評判の店で ある。
  ログハウスは個人輸入で建てた。フィンランドとスウェーデン大使館に電話してログメーカーのリストを 入手。佐藤さんが驚いたのは、フィンランドには大小何千というログメーカーがあったこと。その中から 「ウィークエンドハウス」というメーカーを選んだ。部材は40フィートのコンテナ3本で届き、一緒に来た フィンランド人のログビルダーが3週間で仕上げていった。
  ログハウスは店舗の他に、ソーセージ類の加工所とパン焼き工房として小さなログハウスを建築。角ロ グを選んだのはご主人だった。店舗の横のサイロ付き牛舎はもともとこの土地にあったもの。そこで豚 や牛を飼っていたが、ご主人が亡くなってからは手が足りなくて酪農は断念したという。
  個人輸入のため建築費用は坪30万円ほどでおさまったというログハウス。現在厨房を仕切るのはシェ フの三浦健司さんだが、メニューのほとんどはアッシュワンデンさんが遺した本場スイス料理のレシピが 基本になっている。アッシュワンデンさんの夢だったログ・レストラン。その夢を継いだ佐藤さんの細腕 繁盛記は、まだストーリーの途上である。
 

自家製スイスグリルソーセージとポテトサラダ900円と、自家 製ミートローフとポテトサラダ950円、自家製パン420円。 肉料理は素材の旨味が引き立つ見事な出来映え。
薪ストーブで自然乾燥 させていたメレンゲのお 菓子。ケーキ類もすべ て自家製にこだわる。
 
アルポンの名はアルプス地方で使われる楽器のホルンが由来。 店内では角ログがすっきりとした表情を見せている。セトリングは4年間で10cmほど下がってから止まったという。