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大雨に負けず、台風にも負けず
南国の真夏の太陽にも負けない立て張り板がポイントのポスト&ビーム


 
新規就農制度をいかして移り住んだ新天地に建てた終の棲家
 「鹿児島に引っ越して5年目なんですが、今年はじめて台風直撃を経験したんです。 雨も風も半端じゃなく、すごかったですね」少し興奮気味にそう語る広岡慎吾さんは 、川崎市から鹿児島県志布志町へ移住し、新規就農を果たした自営農家だ。もともと 都会でのサラリーマン時代から、農業をやりたい気持ちが強かったという。会社の希 望退職募集を機に夢をいかす道を歩き始めたが、なぜ、何の縁もゆかりもない志布志 に決めたのだろうか。
  「農業をはじめるにあたって3つの条件がありました。まず研修制度がしっかりして いること、次に暖かいところ、そして海が近いこと。ここはまさにぴったりの場所だ ったというわけです」無事2年間の研修を終え、晴れて農家になった広岡さんは、ビ ニールハウスでのピーマン栽培をはじめた。骨を埋める覚悟で家を建てる土地を探し ていたところ、運良くビニールハウスのそばの今の土地を購入することができた。た だ、すぐに家を建てるつもりではなかったのだが、話があっという間に進み、ポスト &ビームのログハウスを建てることになった。もともとログメーカーと縁があり、建 てることには何の問題もなかったのだが、話が急に進みすぎたため多少の不満もあっ た。「特に外の板張りを、横ではなく立てに張ると聞いたときはえっと思いました。 でもここは雨が横から降ってくるんですよ。立て張りの壁なら雨の侵入の不安もあり ませんし結果的には正解でした」
 
真夏でも冷房いらずの木の家の快適さ
 玄関ドアを開けると、太い柱と筋交いが視界に飛び込んでくる。ダークブラウンに塗 られた太い柱と、床材に使われたカリンの重厚な色合いが、落ち着いた雰囲気を醸し 出している。 リビングの奥にあるどっしりとしたログのテーブルは、ご主人の頼みに応じて大工さ んが誂えたものだ。食事に使うのはもちろん、林田さんが帰宅した後でくつろぐ場所 でもある。 2階は、うって変わって明るい雰囲気だ。長男と長女の部屋、そして一家の寝室とな る和室がある。そして和室からのびる階段を上ると、ロフトになっている。和室の上 が吹き抜けになっているので、開放感あふれる造りだ。
  「ここには秘密があるんですよ」とロフトを案内する林田さんは言う。「この壁板の 裏にある梁には、家族4人の手形がついているんです」建築中に一家そろって青いペ ンキで、手形を残したそうだ。「いつか自分の子どもたちが家を解体する時、思い出 してくれたらいいですね」林田さんのロマンチックな発想に、思わず感動である。
 
もともと大雨や台風の多い地域だけに、建築時から雨風対策には気を使った。その最たるものがポスト&ビームには珍しい立て張りの外板だ。広岡家は丘の上にあるので、雨が風にあおられ横や下から降ってくることもある。横張り板では雨が侵入する危険 性があるのだ。そして丸太の梁もレッドシーダーの外壁材で包み込み、通し柱のみ表に出すようにし、万全を期した。また、窓はペアガラスだが、緊急時に備えてコンパ ネを張れるようフックを取り付けた。庭のビロウの木を倒すほどの大型台風時には、何が飛んでくるかわからないからだ。 そんな数々の対策のおかげか、史上まれな当たり年となった2004年台風シーズンも、大きな被害もなく過ごせた。
 
 
↑大きな吹き抜けが明るく、広々としたリビング。長い廊下が無駄だと感じていた考 えから、すべての部屋がリビングとつながるように配置した。
階段下はペットスペース階段下には愛犬眞子の寝床に。デッドスペースを上手に使った ナイスアイデア
安心感と開放感のあるリビング。平均末口径が30cmを超える太い柱が安心感を、高い吹き 抜けが開放感を与えてくれるリビング
天井に船の櫓?天井下に張られた横板は、2人の趣味に合わせたのか、船の櫓を思わせ るおもしろいデザイン
勝手口とつながる風呂。風呂は勝手口からすぐに行ける場所にある。これなら農作業から 帰ってきても、すぐに汗を流せる
2階まで突き抜ける大黒柱。真ん中のダグラスファーの大黒柱は、1階から天井まで突き 抜け、貫禄たっぷり。文字通り広岡家を支えている
洋館のような玄関。石の張られた玄関だけ見ると、まるで洋館のよう。円い窓がおしゃれ
朝日が差し込む寝室。寝室は明るい南向き。納戸とつながっているので余計なものを置か ずにすむのが便利
 
ログハウスDATA
■延べ床面積 120.5m2
■1階 84u/2階 36.5m2/デッキ 37m2
■着工日 平成14年3月20日 
■完成日 平成14年8月31日
■加工法 ポスト&ビーム
■構法 在来軸組み構法
■仕様ログ材 ダグラスファー(平均末口32cm)
■基礎 布基礎
■外部仕上 屋根材=コンクリート焼き付け瓦/建具=樹脂製断熱ガラス サッシ/塗料=シッケンズ ノバティック 2回塗り
■内部仕上 天井材=パイン1×6/床材=パイン・ダグラスファー無垢板/ 内壁材=レッドシダー・パイン無垢板/塗料/オスモクリアー 1回塗り
■工費 総工費=2100万円/基礎工事費=80万円/ログ材料費=800万円/ 組み上げ・大工工事費=450万円/屋根・板金工事費=80万円/塗装工事費 =40万円/設備工事費=210万円/その他=440万円
■輸入・施工 (有)ハートランド・ログ

広岡慎吾さんと明子さんご夫妻の趣味はマリンスポーツ。海まで車で10分と近く、休みの 日にはヨットやボートなどを楽しんでいるとか
■鹿児島県志布志町  広岡邸
家族構成 2人
加工法
ポスト&ビーム
延べ床面積 120.5m2 総工費 2100万円
 
ログハウスに住むVOL.5より転載