個性的な最新実例を満したログハウス専門誌
   



 出だし好調の萩原氏は、2本の足のRカットを終え、天板にぴったりと接合させるためにチェーンソーやサンダーを使ってさ らにその精度を高める。天板と足とに隙間ができていたが、形を整えるうちに徐々にフィットしていき、安定感が出てきた。
  コツコツと作業を進める野口氏は、丸太全体をサンダーや電気カンナで丁寧に磨き上げ、子供が乗っても危険がないよう角に もまるみを持たせていく。午前の作業で丸太の加工がほぼ完了した。
  横浜氏も、持ち前の手際のよさで本体部分の加工を順調にこなす。そして、ひと通りカットが終了し、バランスを確かめるべ く、足部分に丸太の切れ端をかまして椅子を立ち上げたときだった。「おっ、これいいんじゃない?この切れ端そのまま足に使 おっか」。当初、小さい丸太を立てて足にする予定だったが、寝かしてかませる方がより安定し、デザイン上も丸太の持ち味が 出せることに気付いたのだ。まさに「想像力」が「創造力」を生んだ瞬間だ。実際に腰を下ろしその安定感に確信を持った横浜 氏は、躊躇なくデザインの変更を決定した。
  午後、最もペースが乱れたのが野口氏。ロッキング木馬で一番重要な足のR加工に取り掛かるものの、寸法に手間取り、さらにはRのカッ トに好都合なジグソーの刃が壊れるというトラブルも発生。ここで、見かねた横浜氏がヘルプ。丸ノコを使い、見事に寸法線通りカットした。 その職人芸に野口氏も思わず釘付けだった。
  横浜氏は、各部品をサンダーで磨いた後、足の丸太と本体との接合に取り掛かる。ここで、横浜氏は野口氏が木馬のハンドル用に確保し ていた細い木に注目。「ちょっとそれ余った部分ちょうだい。背もたれの支え棒にするから」と言いつつ、おもむろに棒をカット。足の丸太に 穴を開け、そこに木槌で棒を押し込み、ビスでしっかりと各部位を固定した。そして手早く塗装に移り、ひと足早く丸太チェアの完成を宣言し た。
  萩原氏は天板の水平をとるのに集中。天板と足をビスで固定した後、水平機でこまめに確認しながら、サンダーで足を削りながらズレを調 整。水平がとれた後、棚板も取り付ける。さぁ、ここで作業終了かと思いきや、なんとチェーンソーで表面全体に削り跡を付けはじめた。丸太 家具らしくラフな印象に仕上げるためのひと工夫だ。飾りを施した後、いよいよ塗装に入り、横浜氏に続いて作業終了。
  横浜氏のヘルプでピンチを凌いだ野口氏は、足を完成させるものの、足と本体の接合時にまたしてもてこずってしまう。当初は細い丸太2 本で本体を支える予定だったが、安全面の不安を横浜氏に指摘され、2×4を2本寝かせて支えることに。このあたりで、長時間の作業に疲 れが見え始めるが、粘り強く、最後まで慎重に作業をこなしていく。水平を意識しながら本体と足をビスでしっかりと固定し、細い棒を使ってT 字のハンドルを加工。横浜氏が背もたれの支え棒を取り付けた要領で、本体に穴を開けてハンドルを押し込む。ビスで固定し、ついに、野口 氏も完成にこぎ着けた。
  塗装された丸太家具は味わいを増し、手作り感たっぷりの仕上がりに。苦労した甲斐あって、3者それぞれが個性的な家具を完成させてく れた。作業時間では横浜氏の貫録勝ちだったが、そのでき映えの評価はいかに。読者の判断に委ねることにしよう。

 
丸太の曲線を利用して、背もたれ
上端の切断線を描 く
木工の作業が終了した丸太チェア。背後の歪んだ棒がデ ザインのアクセントになっている。この後、濃い目の色で塗 装を施して完成。作業の前半は戸惑ったものの、チェーンソ ーの扱いに慣れ始めてからはテンポよく作業が進んだ。


 
天板と足をビスで固定した後、平らな床の上に移動 させ、天板の水平を見る。水平機で確かめ、ズレは 足を少しずつ削りながら調整する。
2×10を使い、天板の下にデッキを置くための棚板を 取り付ける。上下のバランスと水平を考えながら位 置取りを決める。
天板の水平をもう一度確認し、微調整。ビスで足と 天板を固定する。
仕上げに、チェーンソーを使ってラフな削り跡をま んべんなく施していく。この加工によって、丸太の 風合いがいっそう増した。塗装して完成。

 
2×10を使って2本の足を繋げる部品を作る。足が前 部に向かって広がるよう、ハの字型にカット。
一番の難所だった足が完成。R部分は揺れがスムー ズになるように、電気カンナを使って入念に磨く。
横浜氏が本体と足の接合方法についてアドバイス。安定感を優先させるため2×4をかませることに。
足の2×10に2本の2×4を寝かせてビス留めし、本体 に合わせて接合部分の角をトリマーでRに削る。
本体と足の接合。座面と足が水平になるようにセット し、ビスで固定する。
T字に組んだハンドルを本体に接合。これで木工作 業は終了し、最後に塗装を施す。
 



 工夫たっぷりの丸太チェア、大胆な造りの液晶テレビ台、そ して緻密に組み立てられたロッキング木馬と、それぞれの個 性がにじみ出た3者3様の丸太家具が完成。
 どの作品もログハウスにしっくりとなじむナチュラルな仕上 がりで、3作品を並べたときのバランスも絶妙だ。普段はあまり丸太を使わないという3人だったが、その完成 度の高さは見事といえる。
ウッディハマーの奥深い「DIY力」を垣間見た1日だった。